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社会構造的差別の解消

【貧困と教育格差】

日本財団子どもの貧困対策チーム「子どもの貧困の社会的損失推計」の調査によれば、子どもの貧困がもたらす社会的損失は、42、9兆円に及ぶと言われています。貧困家庭の子どもは一般的な家庭と比べて学習環境が悪く、能力も低くなる傾向にあります。

このことが、社会的損失に直接つながるのです。

学力が低いと大学への進学はおろか、高校への進学も危ぶまれます。進学ができないということは非正規雇用や低い給料で働く可能性が高くなるということです。このような事態は決して一過性のものではなく、そのまま放置すると、貧困層と富裕層の間で教育格差が生まれてしまい、今の日本の風潮では、教育格差はそのまま経済格差に直結します。

この差が広がることで取り返しのつかない格差となり貧困層と富裕層の二極化へとつながります。

貧困家庭の子どもは学校から家に帰っても親が仕事でおらず、遅くまで1人で過ごさなくてはいけないケースがあります。また、親が朝早くから夜遅くまで仕事にでかけることが多いため、ご飯を満足に食べることができない、栄養バランスの取れた食事ができない現状にあります。そして、家に帰っても勉強を教えてくれる親がいないため学習を定着させることが困難です。

【ヤングケアラー問題】

さらには、貧困家庭などの問題に比べて外部から発見しにくく、そもそも支援が必要な子どもの把握にも課題のあるヤングケアラー問題があります。

ヤングケアラーとは、障がいや病気・要介護などを抱えていて、ケアを要する家族がおり介護を担わざるを得ない状況で家事や家族の世話などをおこなう18歳未満の子どもを指す言葉です。

文部科学省と厚生労働省が令和3年3月に発表した「ヤングケアラーの実態に関する調査結果」によれば中学2年生の約17人に1人がヤングケアラーでした。ヤングケアラーとなっている子どもは多いにも関わらず、行政の支援がまだ十分に進んでいない課題があります。

【当団体の取り組み】

当団体はこのような状況に鑑み、決して恵まれた環境におかれていない子供達の笑顔を見せてもらいたいことから、イベントに出店いただいているキッチンカーや飲食店様のご協力を頂き、こども食堂を定期的に開催しています。

また、教育格差の解消に務める一環で、イベント時に「宿題持って集合!」と子どもたちに呼びかけ、夏休みなどに宿題をイベント会場に持参してもらい、元学童の担当者や学生ボランティアなどによる個人授業を開き、宿題を終えた子どもたちから、かき氷やソフトクリームなどのご褒美を提供するなどして、夏休みに旅行などに行く予定のない子どもたちに楽しんでもらうイベントに注力しています。

その他、子ども職業体験として昨今、親世代が子どもに取り組んでほしくないであろう、綿菓子やソフトクリームなどを子どもたち自らの手で作業をしてもらい、手などベトベトになりながらも初めての体験を経験してもらったり、プールに行けない子どもたちが頭から水をかぶり、ビショビショになって水遊びをおこなったりと、大人が付き添わなければできない遊びを当団体のスタッフたちが子どもたちと一緒になって騒いでいます。

地元の養育院のイベントのお手伝いをさせていただいたり、LGBTQイベントのお手伝いなど、当団体は決して大きな取り組みは出来ませんが、今後も子どもたち目線で一緒になって笑える状況を作っていきたいと考えます。

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